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僕は奥さんの地元である大阪府泉大津市をよく訪ねるのだが、この地域にはとあるこだわりを持った串かつ屋「千代菊」さんがある。初めてお店に伺った時、熱々のおいしい食事をいただきながら、店主の松下智明さん(48)にお話を聞かせてもらった。その中で、松下さんが「料理のためにいつも山に水をくみに行っている」という興味深い話をされ、その理由を知りたくなった僕は松下さんに同行さてもらった。

その場所はお店から車で片道1時間、奈良県に程近い金剛山という山の中腹にある。そこで湧き出る水を「行者湧水(ぎょうじゃゆうすい)」と呼ぶそうだ。「どうして一時間もかけて水をくみに行くのだろう?」という僕の疑問も一緒に乗せて、車は出発した。

街を離れ、車はどんどんと山に向かって進んでいく。くねった道を通り、やがて細い山道に差し掛かり、ようやく車は停車した。車を降りると、凛とした空気と静けさがそこにはあった。深呼吸すると、とてもすがすがしい。ドボドボドボと音が聞こえてきた方を見ると、水が蛇口からあふれるように出ていた。

「ここの水を使って初めて米を炊いた時、つやが全然違ったんですよ。そうしたら1時間かけてでも山に水をくみに行くのが楽しいと思うようになりましてね。」松下さんは湧き水をタンクに入れながら語り始めた。

お店では最初、炊飯器で米を炊いてた。便利だったけれど、ある時から土釜を使ってじか火で炊くようにしてみた。「付きっきりで釜や火を見ていないといけない。何て非効率だって思うんですけど、その工程が楽しいことに気づいてしまったんですよ。便利じゃないのは実に楽しい。やめられない。」

松下さんは今、江戸時代の料理を復活させる再現料理というものにチャレンジしているそうだ。「じゃこずしを作るにもね、アユを素焼きして、それを干して、次は煮て、味付けをして、最後に蒸す。3日間がかりです。」と語る松下さんの表情はなんとも幸せそう。

一見遠回り極まりない道のりの中に、楽しいことは詰まっているんだと、松下さんは生き方そのもので教えてくれた。

(2015年2月17日 掲載)

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