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カラカラカラ、カラカラカラ。心地いい音が商店街に響く。音がするお店の奥に入ると昔ながらの和室が店内に広がる。そして、お茶のいい香りが店中に充満している。

ここは「お茶の北島屋」。石川県七尾市にある一本杉商店街の一角にあるお店だ。2010年七尾市に滞在中、さまざまな人に「そこのおじちゃんは素敵(すてき)だから、ぜひ会いに行ってきな」と紹介された。言わば、まちの名物的存在の方だ。

店主の北林昌之さんは当時70歳。「お茶を飲みに来ました」と告げると、優しい表情で「そうか。それじゃ、こっちへ上がりなさい」と和室へ上げてくれた。北林さんは丁寧に丁寧に石臼でお茶の葉を挽(ひ)き、少しずつお茶の粉ができていく。その工程をなんともニコニコした表情で行っていく。

「やっぱり手で挽いた方がおいしいんだよ。なんでだろう。粉が細かくなったり粗くなったりして、お茶の味が濃くなるのかな。手挽きだと1時間に20グラムしかできないけど、でもまあ、そういう時間もいいわな」

そう言って北林さんは笑った。挽きたての粉でいただいたお茶は味わい深かった。北林さんが紡ぐ物語と共にいただくからだろうか。僕はすっかり魅了されてしまい、その笑顔とこだわりにうっとりとしている自分がいた。

その後北林さんは、なんと出前でカツ丼を取ってくれ一緒にお昼ご飯をいただきながら長い時間、話をさせてもらった。話をするほどに、北林さんの人情味に心をつかまれていく。

最近では海外からのお客さんも増えてきたという。「この間も南米の男性が遊びに来てくれてね。彼は熱心にお茶のことを聞いてくれるもんだから、お茶の本をプレゼントしたんですよ。これが日本の原点やって言ってね。喜んで帰りましたよ」。ここではお茶が、国境も越えて、人と人をつなげてくれる懸け橋となっていた。

これからどんな物語がこのお店から生まれてくるのだろう。カラカラカラ、カラカラカラ。音と香りに誘い込まれたお客さんと、北林さんが織りなす物語を伺いに、またいつか会いに行こう。

(新潟日報2015年8月4日 掲載)

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